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今朝のことだ、飽きっぽいオレの性分が、
むくむくと、胸クソ悪く立ち現れて、
隣で眠り込んでいる年増女を三白眼で睨みながら、こう囁いてきた。
「ひとつ尋ねてもいいか?
お前、まだこの女に未練があるらしいが、
こいつの身体の、
どのパーツが、
黒いところや、バラ色のところも含めて、
ナニが一番、具合いいんだ?」———オレは半身を起こし、
この『飽きっぽい性分』にこう答えた。
「この女のすべてが好きなんだよ。
あそこの締まりがいいとか、そんな事じゃあねぇ。
とにかくオレをとろけさせる。いったい何が、
オレをここまで虜にしたのか。この女の、
親から転がり込んだ不動産は、オレを有頂天にし、
貯め込んだ預金の桁数は、オレを計算高くした。
そして、このオールドミスの、切羽詰まった寂しさ悲しさが、
盛りを過ぎたその肉を狂わせて、何だかたまんねぇんだ。
頭の悪ぃオレが、
そのややこしい感じを、細かく説明することは、どだい無理な話だ。
単純にオレは、肉と金に溺れている。
不思議な感覚だ!
この女の吐息はオレの優越。
この女の命令はオレの劣敗。それだけだ」