悪(ワル)の華

ボードレールは、人間を『退屈』に住む『悪』だと思っていたようです。『悪』を詠えば、人間の本質に迫れました。 『悪』はまた、衝動的で扇動的で曖昧でした。 衝動的で扇動的で曖昧なものは、おもしろおかしく好き勝手に扱えました。 『悪』は、『滑稽』にも『美』にも『神』にさえなれました。 こうして人間は、『滑稽』や『美』や『神』に変えられました。 ボードレールのやったことは、それだけのことです。では、ボードレールの言葉遊びに浸りましょう。文中、極めて不道徳で不適切な単語や表現が使用されています。予めご了承ください。

42

女の人にモテないみじめなボクが、今夜、誰に話しかけようか? 

薄暗く、止まった空気にホコリが舞う部屋に引きこもったボクが、

アイドのあの人に向かって、何を語れる資格があろうか?

あの人の眼差しが、ボクの心に明るい花を咲かせた。

 

———ボクらは胸を張って、あの人を讃えよう。

あの人の人気は圧倒的だ。

妖精のような身体、天使の声、

そしてあの眼差しが、ボクらを光で包んでくれる。

 

真夜中でも、一人ぼっちの時でも、

街中でも、雑踏の中でも、

あの人の幻が、ボクの目の前で踊っている。

 

そして幻はボクに語りかける。「わたしって、かわいいでしょう。だからわたしの言うことを聞いて。

わたしを愛しているのなら、わたしの顔だけを愛して。それ以外はダメ。

わたしは天使。わたしは女神。わたしは聖女。だから、オマンコのことなんか想像したらダメ」