悪(ワル)の華

ボードレールは、人間を『退屈』に住む『悪』だと思っていたようです。『悪』を詠えば、人間の本質に迫れました。 『悪』はまた、衝動的で扇動的で曖昧でした。 衝動的で扇動的で曖昧なものは、おもしろおかしく好き勝手に扱えました。 『悪』は、『滑稽』にも『美』にも『神』にさえなれました。 こうして人間は、『滑稽』や『美』や『神』に変えられました。 ボードレールのやったことは、それだけのことです。では、ボードレールの言葉遊びに浸りましょう。文中、極めて不道徳で不適切な単語や表現が使用されています。予めご了承ください。

63 ヒモ

茶色の目をした子供に戻って、

お前のベッドにもぐり込んで、

夜陰にまぎれてお前にくっつく。

 

そしてオレは、

月のような冷たいキスをして、

穴の周りをじらす、

ヘビになる。

 

青ざめた朝になれば、お前は、

ヨコが空っぽになっているのに気が付く。

そこは、夜が来るまで冷えたままだ。

 

普通の男なら、

優しさでお前を骨抜きにするだろう。

オレはお前をシャブ漬けにして支配するのだ。