悪(ワル)の華

ボードレールは、人間を『退屈』に住む『悪』だと思っていたようです。『悪』を詠えば、人間の本質に迫れました。 『悪』はまた、衝動的で扇動的で曖昧でした。 衝動的で扇動的で曖昧なものは、おもしろおかしく好き勝手に扱えました。 『悪』は、『滑稽』にも『美』にも『神』にさえなれました。 こうして人間は、『滑稽』や『美』や『神』に変えられました。 ボードレールのやったことは、それだけのことです。では、ボードレールの言葉遊びに浸りましょう。文中、極めて不道徳で不適切な単語や表現が使用されています。予めご了承ください。

64 秋のソネット

お前は作った猫撫ぜ声でオレにこう尋ねてくる、

「アンタって、おもしろい人ね。私のどこがいったい良いって言うの?」

———頼むから、そこで静かにしていてくれ。

駆け引きには、マジにイラつくんだ。

 

オレは自分の根性を、お前に見破られたくない。

本音も吐きたくねぇし、

一生懸命だとか、

そんなきれいごとも苦手だ。

 

まあ、焦らず仲良くしようぜ。

愛の武器庫の床下の埃まで知っているが、

そこには、恐ろしい飛び道具がそろっているからなぁ。

 

狂気、嫉妬、喧嘩! ———青ざめんなよ。

お前もオレと同じで、季節で言やぁ秋だ。つまり後の無ぇ身だ。

まあカッコつけねぇで、ゆっくりやろうや。