相当なお年の娼婦が数人、血色の悪い顔に眉を引き、
薄い耳たぶへガチャガチャ安っちいイヤリングを下げ、
色褪せた肘掛け椅子に、
色目を流しながら腰かけていた。
緑の布の賭博台の周りには、
紫色の歯のない口を半開きにした、
艶のない肌の男たちが、激しい動悸を打ちながら、
空っぽのポケットに手を突っ込んで、ギャンブルに夢中になっていた。
汚れた天井には、半分点滅しないイルミネーションと、
埃を被ったシャンデリアが並び、
部屋の片隅に座った詩人の脂汗の浮いた顔を、
テカテカと光らせていた。
これは、ある夜、オレが見た夢の光景だ。
暗黒の絵画だ。詩人はオレだ。
音のない穴倉の隅っこで、
顎を片肘に乗せ、だんまりを決め込んでいた。
オレはこの部屋の連中が羨ましかった。
ババァ淫売のしたたかな陽気さに感動した。
互いの腹黒さと容姿をからかい合う、
その駆け引きさえ妬ましかった。
しかしだ。オレの背筋が突然凍った。オレが羨むこいつらは、
大口を開けた奈落の底に、自分自身の血にピチャピチャ浴しながら、
まっしぐらに滑り落ちようとしているのだ。
そうなのだ。こいつらは安逸な死よりも、地獄の苦痛に賭けよとしているのだ。