26 飽きもしないで
ムスクとタバコの匂いのしみこんだ、
夜のような黒い肌を持つ、ニグロの魔法使いよ。
草原のファウスト博士が作った、
真夜中の申し子よ、黒檀の脇腹を持つ魔女よ。
※1コンスタンスや※2ニュイのワインより、麻薬より、
オレはお前の口づけの方が好きだ。
我慢の限界が来て、砂漠のキャラバンのように、お前に突進するとき、
お前のまなざしは、オレの渇きを癒す水たまりになるのだ。
情け容赦しない悪魔よ。魂が出入りしている、お前の黒いふたつ目から、
そんなに欲情の焔を立たせないでくれ。
オレは、お前を9回も満足させる自信はないぜ。
それにあれだ、好きもののお前を、ベッドと言う地獄の上で、
ヒイヒイ泣かせて、ギブアップさせてやりたくても、
残念だが、オレは、淫獣の神にはなれないのだ。
※2 ブルゴーニュ地方のワイン