悪(ワル)の華

ボードレールは、人間を『退屈』に住む『悪』だと思っていたようです。『悪』を詠えば、人間の本質に迫れました。 『悪』はまた、衝動的で扇動的で曖昧でした。 衝動的で扇動的で曖昧なものは、おもしろおかしく好き勝手に扱えました。 『悪』は、『滑稽』にも『美』にも『神』にさえなれました。 こうして人間は、『滑稽』や『美』や『神』に変えられました。 ボードレールのやったことは、それだけのことです。では、ボードレールの言葉遊びに浸りましょう。文中、極めて不道徳で不適切な単語や表現が使用されています。予めご了承ください。

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この世の男ゼーンブを、自分のベッドに誘い込む積りだったのだろう。

この淫乱女! 欲求不満が、お前を残酷に追い立てていた頃もあった……。

変態セックスを楽しむためには、お前は自分の歯を尖らせようと、

毎日ひとりずつの心臓を餌食にしなければ、とてもとても満足しなかったよなぁ。

繁華街のネオンや、

祭りの焚き上げのように、

他人(ひと)のおべんちゃらで、輝く美しい目を持っていると、お前は誤解していたよなぁ。

そんなもんじゃあなかったんだ。お前は、本当の自分の美しさを分かっていなかったのだ。

 

その目は何も見ていなかったし、耳だって何も聞こうとしなかった。

つまりお前は避妊具だった。腹いっぱいになるまで、精子を吸い上げる、残忍なただの器具だった。

ところが最近、さすがのお前も劣化してきたようだ。少しは恥を感じろよ。

鏡の中に、色香が褪めた自分の姿を目にしたことはないのか。

自然は、策略をめぐらす大悪党だ。

お前は、その計略に引っかかっていることに、怯えないのか。

意地悪で、したたかな自然が、お前を、

女を、罪を重ねた聖女を、お下劣なケダモノを、

そんなお前を使って、オレを、天才詩人であるこのオレを無茶苦茶にしたのだ。

 

これは、泥まみれの偉大さだ! 神の恥辱だ!