お前はこのオレのように、苦痛の快感を理解できるだろうか?
「変な奴だなぁ……」って、お前は言われたことはあるか?
———オレは『死』を待っていた人間だ。『人生』を諦めきった人間の『死』は、
恐怖と混ざり合った欲望なのだ。気持ちのいい不思議な苦痛なのだ。そして、
『死』は新しい希望なのだ。だから『死』に逆らう気持ちなどオレにはない。
運命の砂時計の砂が下に落ちるほどに、
オレの苦悶はより激しく、そして甘美になっていった。
オレは既に、この馴染んだ世界から引き裂かれていたのだ。
オレは見世物を待ち焦がれるガキのように、
舞台に下りている幕を邪魔だと思っていた。
しかし、オレに冷酷な真実が暴かれた。
オレはすでに、あっさりと死んでいたのだ。周りを見渡せば白っぽい光に溢れていた。
オレは驚きもしなかった。「なんだぁ、『死』ってこれだけのことか!」
もうとっくに見世物は始まっていたのに、オレはアホずら晒して幕開きを待っていたのだ!