2024-01-24 69 音楽 音楽を聴くと、海に乗り出した気分になる。 青白い星を羅針盤にして、 大空の下、霧深い海へ。 あるいは、透き通った空気の中へ。 帆が、風を受けるように、 肺を膨らませ、胸を突き出し、 暗闇に重なった怒涛の、 その背を這い上って行く。 大海溝の上で、 順風に、あるいは暴風に、揉まれる船の不安が、 オレの内側で目覚める。 行くにも、引くにも思い悩んだとき、 唐突に海は凪、静かな水面が鏡となる。 そして、オレの犯した数々の犯罪を映し出す。