オイラは、とある有名人に尽くした紙幣だ。
オイラの丸まった跡を見れば、
それが分かるだろう。
オイラのご主人様は、ブタ箱に放り込まれちまった。
ご主人様が特別の刺激を所望した時、
例えば気持ちのいいセックスをやりたいとき、
オイラはせっせと真っ白い粉を、
ご主人様の鼻に運んだ。
誰にもご主人様の事をチクリもしなかった。
そして、オイラはご主人様を虜にした。
魂をがんじがらめにした。
あんたの手元の紙幣を、
丸めて鼻に宛がうと、かすかにアルカロイドの気配がしねぇか?
気配がしたら、それはオイラかもしんねぇよ。