こんな重いもんを持ち上げるには、
相当、根性がいるだろうなぁ。
どんなに頑張っても、
オレ、やり遂げる自信ねぇなぁ。
偉業をなし遂げたご立派な人が眠る、そんな墓からは遠く離れて、
平々凡々の輩の眠る墓にまっしぐらで、
オレは、太鼓をたたきながら、
葬送曲のパッとしない拍子をとって進むのさ。
しかしだ、きっとそんな墓にも、暗闇と忘却に埋もれた、
眩い宝石が、ゴロゴロしているだろうよ。
だがよぉ。鶴橋もドリルも、それらを掘り当てることなんざぁ、もうねぇだろうなぁ。
墓には、たくさんの花が、後悔を肥やしにして、
湿っぽい香りを立てている。
誰にも理解されず、誰にも振り向かれず、虚しさと寂しさを抱えた屍の上で。