オレの若(わけ)え頃は、ひでえ嵐に似ている。
そりゃあ時には、一筋の光が射したこともあったさ。
しかし、ほとんどスゲエ雷雨の日々だった。
実りの季節でさえ、
鋤と鍬で、洪水の去った、
墓場のような地面を、
耕し直すといった有様だった。
そのせいか、結局ひとつの果実も実らなかった。
オレが夢見た新種の花が、
この不毛の砂地に、
咲くことがあるだろうか?
悔やんでも悔やみきれねぇ! 時間がオレの命を食いつぶしている。
オレの心臓を削る敵が、どこかに隠れている気配がする。
そして、オレの血を嘗めて、肥え太る機会を狙っている。