目覚めたオレの顔に、
白っちゃけた朱色の光が、『理想』を引っ提げて射し込んだ。
すると、さすがのオレの中にも、
会心しろと、天使が目覚めちまった。
『道徳』の眩しい朝焼けが、
意気地のねぇ、しかめっ面したオレの前に、
この世を吸い込む勢いで、輝いた。
するとさっきの天使が、
乱痴気騒ぎのような夜明けを横目に、
涼しい顔して軽々と、
やっと意識のハッキリしてきたオレの前で、ステップを踏んだ。
と、その瞬間だ。朝日が部屋の照明を、オレに馴染んだ黒に変えた。
そして、性悪女のアンタのまぼろしが、またオレを虜にした。
やっぱりアンタの勝ちだ。アンタは太陽に勝ったんだ!