悪(ワル)の華

ボードレールは、人間を『退屈』に住む『悪』だと思っていたようです。『悪』を詠えば、人間の本質に迫れました。 『悪』はまた、衝動的で扇動的で曖昧でした。 衝動的で扇動的で曖昧なものは、おもしろおかしく好き勝手に扱えました。 『悪』は、『滑稽』にも『美』にも『神』にさえなれました。 こうして人間は、『滑稽』や『美』や『神』に変えられました。 ボードレールのやったことは、それだけのことです。では、ボードレールの言葉遊びに浸りましょう。文中、極めて不道徳で不適切な単語や表現が使用されています。予めご了承ください。

47 夕暮れのバラード

ついさっきの事だ。人を殺した。

命が震えながら消えた。

消える音と匂いは、夕暮れに紛れた、

憂鬱なバラード、アンニュイな溜息!

 

命は蒸気のようにあっさり消えた。

エレキギターチョーキングは、病んだ心臓の痛み、

これも憂鬱なバラード、アンニュイな溜息。

空は悲しく美しく、まるで巨大な祭壇。

 

エレキギターチョーキングは、病んだ心臓の痛み。

巨大な漆黒の虚無を憎む、張りつめた心!

空は悲しく美しく、まるで巨大な祭壇だ。

太陽は、凝固したオレの血に溺れてしまった。

 

巨大な漆黒の虚無を憎む、張りつめた心は、

過去から、都合のいい思い出だけを拾い集める!

太陽は、凝固したオレの血に溺れてしまった。

そしてアンタの思い出は、聖像のように輝いている!