あんたに贈るぜ、この詩を。
もし万々が一、オレの名が、
異常気象の北風に追われた船のように、後世に伝わり、
ある夜のこと、この詩を読んだ男の脳味噌に、
あんたのことが、夢物語となって蘇り、
音楽さながら、詩句はイヤーワームとなり、
オレの気持ちが通じたのか、その男は、
詩の一行一行に、首を吊ってぶら下がる。
いいか、よく考えてみろ、この世に、
あんたをマジに相手するのは、オレを除いていないぜ。
あんたは、あっと言う間の足跡も残せない、幽霊なんだぜ。しかし、
あんたは詩になって、足取り軽く、涼しい顔して、
あんたを、ゲスと呼んだ死すべき運命の人間たちを踏みつぶして、
真っ黒い瞳とブロンズの額を持った、永遠の存在になるんだ。