非情なお日様が、強烈な光線の矢を、
パリにも田舎にも射込む午後に、あるいは、
裏さびれた場末の連れ込み宿のカーテンが、
不倫の触れ場を隠す時に、
オレは創造の腕試しをしようと、外を出歩いてみた。
ちょっと気の利いた街角で、語呂合わせを思いついた。
ときには、敷石につまずくように言葉に行き詰まったりもした。
しかし、ハッとする詩句もひらめいた。
オレの創造力は手強いヤツだ。
言葉を、干上がった地面に咲く薔薇にした。
憂鬱を、霧に変え空に吹き飛ばした。
馬鹿の頭を、蜂の巣のように蜜で満たした。
老いぼれ婆さんを、
花も恥じらう生娘にし、
お望みとあらば、
妊娠もさせた。
こりゃあ、本物の詩人かもしれないと、
遠慮会釈なしで、大詩人ッ家(チ)の敷居をずげずげ跨いだ。
売れないライターのくせして、空想が先走って、
オレはふんぞり返って、偉そうな口をたたいた。