オレたちのベッドは、ほのかにいい香りに抱かれていた。
ソファーは墓穴のように深くに沈む。
棚の上には、美しい空の下でしか咲かない花が、
飾られていた。ここはオレたちの最後にはふさわしい部屋だ。
オレとお前は、ふたつの焔だった。
互いの競い、合わせ鏡に映ったように、
息を合わせ、重なり合って、最後の最後まで、
その熱を燃やし尽くした。
バラ色と不思議な青色で作られたある夜に、
オレたちは結合し、閃光を交わし合うのだ。たった一つの大切な閃光を。
別れの言葉でできた、すすり泣きのような閃光を。
やがて一人の天使が扉からそっと顔を覗かせる。
天使は、ヒビの走った合わせ鏡と燃え尽きた焔を抱きかかえるだろう。
そして、腕を天に向かって差し向けるだろう。