こうやって生き長らえられるのも、『死』と言う慰めがあるからだ!
『死』こそが、生きる目的だ。唯一の希望だ。
『死』は、麻薬のようにオレを酔わせ、
夕暮れまで、とりあえず歩く勇気を与えてくれるのだ。『死』は、
嵐を突っ切り、雪を踏み越え、霧氷をかき分け、その向こうにある、
黒い地平線に震える輝きだ。
人生のガイドブックに書かれた名高き宿だ。
たらふく食べて、ゆっくり眠って、伸び伸びできるところだ。
またそこは救いの天使のたまり場だ。
未知の力をため込んだ天使の手が、
素っ裸の貧乏人の寝床を整えるのだ。
『死』は神さまの宝箱だ。いや、神さまの栄光そのものだ。
貧しい者の財布であって、遥かに遠いふるさとだ。
そして、天国につながる柱廊だ!