吸血鬼の変身(禁断詩編より)
イチゴのような半開きの唇を、指でなぞりながら、
火に投げ込まれたヘビさながらに身をよじり、
乳房をブラジャーのワイヤーで揉み上げ、
苦くて甘い息を吐き、女はこんな言葉を洩らした。
———「ワタシ、知っているわ、アンタの良心をブッ飛ばす方法を。
それにしても、何て、ぬめった唇なのかしら……。
ワタシの乳房は、どんな涙も乾かしてきたし、
おじいちゃんを、赤ちゃんに変えてきたわ。
真っ裸になって、男の前に立つときには、
月にも、太陽にも、女王にも、ライオンにでもなれるわ。
ワタシのオマンコは、そんじょそこらのものとは違うのよ。
咥え込んだチンポが悲鳴をあげるって評判よ。
特にこの首を絞めてごらんよ。
締まりがよけい良くなって、
布団までボゥーとして、
半死人だって射精するわよ。」
オレはキンタマ汁を全部吸い取られ、
ぐったりとなったまま、口づけのお返しをしようと、
女の唇に舌を差し出したとき、そこにオレは見てしまった、
ぬらぬらと膨れ上がった、膿だらけの革袋を!
オレはゾッとして思わず両目をつぶった。そして夜明けを待つことにした。
やがて、清々しい朝日が部屋を満たした。そっと目を開いて、
傍らの女を見た。そこにはあの血色の赤味を帯びた人間はおらず、
骸骨が散らばり、その骨の一つ一つが震え、
冬の夜通し風に揺られる、壊れた風見鶏や、
鉄の棒にぶら下がった看板の、
あの軋む音に似た泣き声を、
からからと上げていた。